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アクセス数 1642  このページの最終更新 2008-12-22 (月) 08:36:29

資料調査の必要性、情報検索、図書館の利用、情報の信頼性と確認、先行研究、引用と著作権

今回の目標:
 崋分で調べる」必要性を理解する
△匹Δ笋辰董崋分で調べる」のか、調べ方を理解する。情報の評価についても考える

「自分で調べる」意味

資料(や教科書)が与えられていない! そのときどうするか? ⇒ 自分で調べる

問題の表題・あらましだけを与えられたとき、自分で、問題の枠組みと、今まで世の中でまとめられてきた知識の枠組み(先行研究)などを、まだ知らない中で、調べる

《キーワードを基にネットで検索すればいいのか?》
            (専修大学出版企画委員会「知のツールボックス」 32頁)

例) 「安楽死についてレポートせよ」  ⇒ キーワード「安楽死」でネット検索

これらから適当に情報を抜いて並べ、適当にまとめ
(たとえば「治る見込みがゼロの病人が、耐えられない痛みに苦しんでいるのだから、その人を楽に死なせてあげるのは、むしろ人道的な行いだ」を付けただけで、)
調べたことになるのか?
  ⇒ ならない。 レポートとして期待されるものと違う。

《人の意見をどのように使うのか》

人の意見を使うのは、どういうときだろうか?
レポートや論文が、自分の主張をしているとする。(論文はそのためのものである)
当然、主張を論証しようとしているはずである。
その論拠として、他人の得た結論を使うことがある(多いだろう)

もう1つの場合は、自分の主張の位置づけをするために、他の人はこう主張している、 と言う時である。たとえば、
  他の人はこう言っているが、自分は違うと思う。そうではなくて、こう考える
とか、
  他の人もこう言っているが、自分も同じ意見である
とか、
  他の人はこういっているが、自分はそれの一歩先を開拓したのだ
など。

いずれの場合でも、≪まず自分の主張とその論証がある≫ことに注目して欲しい。
人がどうこう言ったからこうだ、ではなくて、自分はこう考えるが、その補助として(賛成だったり反対だったりするが)他の人はこう言っている、と言うのである。

何が大事といって、自分の意見を持つこと、その意見をきちんとした論証で支えられること、が、いちばんの価値である(と私は思っている)。

《先行研究》について

論文の中で出てくる「先行研究」とは、すでに過去において同じ(同じような)問題を研究した結果を紹介する部分である。 卒業論文でチャレンジするような問題は、もしそれが今まで誰も立てたことのない問であるなら素晴らしいが、大抵の場合は先行研究が存在すると思ったほうがいい(世の中広いのである)。 また、学期中に出すレポートであれば、その問題は大抵は議論しつくされているだろうから、多くの先行研究がある。

先行研究には、評価が定まっていていわゆる「定説」になっているものと、まだ評価が定まらないものがある。 教科書や解説書・百科事典等に書かれているのは、ほとんどの場合、評価の定まった「定説」である。(評価が定まっていない説を紹介する場合は、そのように書かれてあるはずである。)

卒業論文などを書くときには、まだ定説の定まらない分野の問題を取り上げることが多いだろうから、定説として定まっていない先行研究を複数個参照し、それらを足がかりにして自分の考えを展開することになる。 他方、学期中のレポートを書く時はおそらく、すでに広く受け入れられている定説を足がかりにして(たとえば授業で用いた教科書・参考書などを出発点にして)、その上に自分の考えを展開することになるかもしれない。   いずれの場合であっても、≪先行研究(もしくは教科書など)≫ と ≪自分の考え≫ とは、明確に区分すべきである。 先行研究の部分が、他人の考えの「引用」であることを明確に書いておかなければならない。 論文などでは、わざわざ「先行研究」という章を設けたり、「問題の背景」といった章の中で先行研究を紹介したりすることが多い。レポートであっても、ここまでは先行研究(他人の意見)、ここから自分の意見、と明確に分かる書き方が要求される。

《調べる手順について》

レポートや卒論テーマが与えられたとして、そのテーマをキーワードとしてやみくもに検索するべきではない。その例を、個の回の最初のほうで『「安楽死についてレポートせよ」  ⇒ キーワード「安楽死」でネット検索』として挙げた。安楽死をキーワードとした様々な記事が(脈絡なく)表示される。これを無造作に並べることは、意味が無い。

何か調べようとするときには、次のように進めるべきである。(戸山田和久:「論文の教室」)

  1. 自分が何について調べようとしているのか、まずそれを正確に確認する。
    問題文のキーワードが大きすぎることがある。(上記の「安楽死」の例は大きすぎるだろう)
    問題を分割し、具体的な、調べることのできる問題にしなければならない

    実は、その分割作業をするためにも、ある程度対象の分野が分かっていなければならない。
    たとえば、安楽死の定義や、議論の歴史、今まで出されている大きな考え方などの、言わば外枠を確かめておく。これはまず、教科書的な本、百科事典的な本などで、確認できるだろう。

    具体的な(小さな)問題になったところで、個別の議論や考え方を検索で拾っていく必要がある。

    理系の場合でも、問題設定によるが、漠然とした問題を出された場合には上記のようにアプローチをまず考えて、その上で具体的な項目について議論するのがよい。問題の核心が明白な場合には、そのままその問題について考えてゆけばよい。
  2. どこから(どのような)情報をえたらいいのか、確認する。
    理系が対象とする情報は大別すると、)棔塀饑辧砲ら、∀席源┿錣ら、ネットから、に分けられるだろう。
    普通は次のように考えられている。
    • ,僚饑劼砲蓮
      • 教科書的なもの・百科事典的なもの―――既によく研究された内容を、初学者に分かりやすく説明した本など。たいていは定評のある学説等を中心に紹介してある。一般的には信頼できるものが多いが、盲目的な信用は教科書と言えども慎むほうが良い。
      • 専門書的なもの―――新しい研究成果を集めた本など。必ずしも評価が定まっていない学説などを含むが、編者が一定の考え方をもって選択していることが多い。
    • △力席源┿錣蓮
      専門書的な書籍より更に新しい(最新の)研究成果を集めて、定期的に刊行されている。編者(エディター)もしくは査読者(レフェリー)が一定の考えを持って選択している論文雑誌と、ほとんど選択をせず投稿されるままに掲載している論文雑誌がある。いずれにしても、新しい研究成果を研究者仲間に周知することが目的で刊行されているので、内容の吟味はこれから、という場合が多い。
    • のネット上の情報は、
      基本的に誰でも書くことができるので、情報の質はさまざまである。発信者を見極める必要がある。

このほかにも、テレビ・ラジオ・新聞・週刊誌等のマスコミから得られる情報がある。(理系ではあまりないかもしれない) 一般的には「マスコミの言うことだから」という一定の信頼があるが、盲目的に信用することは危険である。

学究の徒としては、情報は必ず自ら評価する、という態度を貫いて欲しいものである。

《本を探す》

本を探す道筋として、/渊餞曄△鉢⊇馘后△鮃佑┐茲Α

図書館で本を探す方法として2つある。 1つは、検索システムを使う方法、もう1つは、本棚へ行って背表紙を眺める方法である。

検索システムはOPACと呼ばれ、習志野メディアセンターの場合、館内の検索端末や、インターネットからアクセスできる。書名などに含まれるキーワードや著者名などから検索することが多いだろう。OPACでは検索がexact match(書いてあるとおりの文字列を検索しないとヒットしない)なので、似た言葉・概念で引っ掛けるという芸当はしてくれない。

本棚にいって背表紙を眺める方法は、ある分野について調べたいときに有効である。図書館の本は、「図書分類」というルールで分類され、分類ごとに書架に置かれている。だから、同じ分野の本は同じ書架にあるはずなのである。自分の調べたい内容が図書分類(番号)の何に対応するかを見つけられれば、その分類の書架をフロアマップから見つけて、行って見るとよい。

習志野メディアセンターにない本でも、他の大学等の図書館にある場合がある。習志野メディアセンターでは近隣大学の日本大学生産工学部図書館、千葉工業大学の図書館と連携しており、共通の検索ができる。更には、全国の大学図書館もNII(国立情報学研究所)を経由して検索でき、相互貸借ができる場合が多い(届くまでに時間がかかる)。 その他、図書の見つけ方についてカウンターが対面サービスをしてくれるので、利用するとよい。

もう1つの筋道である書店は、もちろん大きな書店に行って書棚を見るのもよいし、オンラインの書店で検索してみるのもよいだろう。特に、オンラインの書店では、検索機能の充実を図っており、OPACではできないような、似た言葉や概念で引っ掛ける検索ができるものがある。また、書店の検索データにはタイトルだけでなく目次や帯に書かれた宣伝キーワードも入れられていることが多く、タイトルに含まれない検索語でもここにヒットする可能性があるので、試してみるとよい。

《学術論文雑誌を探す》

学術論文誌を利用する機会は、低学年ではまだ少ないかも知れない。低学年であっても、もちろん大いに利用して構わない。

学術論文誌は、「論文」を集めて出版したもので、雑誌によるが、大抵は論文を審査し、一定のレベルに達したもののみを選択して掲載する。 この審査のことを「査読」や「レビュー(review)」と呼ぶ。査読にはその分野の先行者たちが当たることが多い。 また、雑誌に固有の「編集方針」を持ち、それにかなった論文を選択して掲載するものが多い。 

査読を行うことによって、内容には一定のレベルが保障されるとは言っても、一般に最先端で評価の定まっていない研究を掲載するので、内容の正否・妥当性は読者が判断すべきものである。 つまり、結論を頭から信じてはいけない。 これは、「教科書」が評価の定まった内容を出版するのに対して、論文雑誌を読む場合の重要な点である。≪批判的な理解≫(critical reading)を心がけること。

学術論文雑誌は定期的に(たとえば月に1冊)出版されるし、複数の雑誌が同じ分野領域をカバーしているので、かなり多くの論文が出てくる。その中から自分の望む論文を見つけ出さなければならない。 これを「文献検索」と呼ぶ。 

文献を探し出すには、大別して2つの方法がある。1つは「芋づる式」、もう1つは「検索エンジン式」である。もし自分の研究の出発点となる論文がある場合、その論文が参照している文献(たいてい参考文献のリストが付けられている)を読み、さらにその文献が参照している文献を読み、という具合に、芋づる式にたどってゆくやり方である。

もう1つの検索エンジン式は、ネットでの検索と同じような感じで、文献を検索する。文献は「文献データベース」が提供されているので、ネットで探すのではなく、このデータベース上を探す。キーワードが予め抽出されているので、効率よく検索することができる。

検索で見つけた論文の場合、その論文の信頼性についてチェックする必要がある。中には速報性を重視するため査読をしない雑誌もある。また、実験結果の報告では、実験の環境の良し悪しが問題になることもある。十分な吟味が出来るようにならなければならない。 1つの目安として、引用回数を見ることができる(citation index)が、論文が出た直後は一般に引用数が少ないので判断が難しい。

文献検索のやり方にはコツがあるので、それは高学年になったときにマスターしておくとよいだろう。教員や先輩から教わるのもよいし、習志野メディアセンターが学期初めなどに随時講習会を開いているので、それに参加するのもよいだろう。 またカウンターで検索作業のサポートを依頼することができるので、慣れないうちはサポートを受けるのもよいだろう。

《統計データを探す》

統計データは、何かを議論したいときの有力な論拠となる。活用すべきである。

統計データがどこで手に入るかは、それなりに難しい問題であるが、最近ネットワーク上で手に入る場合も多い。検索して入手できれば儲けものである。 また、官公庁が発表するデータは、総務省の統計データ・ポータルサイト(http://portal.stat.go.jp/)から探すことができる。 新聞社などが有料でデータを提供しているものがある(日経など)。

《ネットで調べる》

ネットで調べるには、検索システム(検索エンジン)という便利な味方がある(たとえばGoogle、Yahoo、gooなど)。 便利なのだが、情報の出所や信頼性に気をつける必要がある。   ネットに書かれている情報が、必ずしも信頼できるとは限らない。 具体的には、

《「参考にする」と「引用する」と「剽窃」》

調べた資料は、自分のレポートや論文の中で「使う」が、そのときのやり方・態度しだいでは≪許されないもの≫になるので、それをよく理解しておこう。

上の2つとどう違うか? ポイントは≪自分のものとして≫というところである。 ちゃんと「自分が考えたのではないよ、鹿島さんが書いたことだよ」と言わずに、,△燭も自分が考えたかのように、△發靴は誰が考えたのか分からないように(取りようによっては自分が考えたオリジナルだと思えるような形で)書いている、ということが違っている。

剽窃は罪になる。
まず、著作権法に触れる(刑事罰の対象+損害を与えれば民事損害補償請求)。
次に、大学という学問研究の場では著作権以上に≪許されない≫。 理由は、大学では自分で考え、自分の考えを磨く場であるから。

極端な例が試験におけるカンニングであるが、履修案内の「履修の心得」 III.試験の第4項にあるように、不正行為に対しては厳しい処罰が定められている。(ちなみに、米国では軽微であっても退学が原則だが、東邦では若干ゆるい規定になっている。)
評価に関わるレポート(平常点レポート・期末レポート)も同じ原理でしかるべきであるから、レポートの内容に「剽窃」=盗用=(他の学生・世の中の他人を問わず)引用であることを断らないコピー、があれば、処分の対象になり得る。

処分はさておいても、剽窃はしてはいけないことだし、≪恥ずかしい≫と思って欲しい。 大学に入学するぐらいの人間としては、とても≪恥ずかしい≫ことなのである。

正しい態度は、「他人の考えを引っ張ってきたもの」 ということが明確に分かるようにすること。特に学術論文では、≪出典を明記すること≫ が必須である。
 例: (「勝つための論文の書き方」 29ページ 鹿島茂 文春新書 文芸春秋社)といったように書く
  (注意) 但し、書いたレポートがすべて、X氏はこう言った、Y氏はこう言った、ばかりでは、評価されない。
      自分で何かを考えなければいけない!!

まとめ

今日の授業で何が分かったかを整理し、大切と思う順序に並べてみよ


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