山内の授業のページ
アクセス数 1989 このページの最終更新 2010-06-28 (月) 16:47:19
2010年春学期 バイオインフォマティクス基礎論 †
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期末レポートについて ==>
期末課題 を参照
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火曜日 4限 (注)昨年度まで秋学期開講だったが、2010年度から春学期開講となった。
授業の目的 †
「バイオ」(生物学・生命科学)を適用の中心分野としたときの、「インフォマティクス」(情報学 〜 大量のデータから意味ある情報を知的処理によって抽出)のさまざまな手法・原理を学ぶ。
- インフォマティクス(情報学、非常に幅広い)のうち、生命科学に適用されている手法・原理に限定して学ぶ。インフォマティクスの応用分野は、当然、生命科学だけではなく、ここで概観する手法・原理は他の分野にも適用されるものである。
- インフォマティクスは、特にアルゴリズムや処理方法を中心にして概観する。
- 生命科学・生物学については、適用の対象として理解する程度にとどめる。生命科学の系統的な理解は、別途その分野の教科書等を参照して欲しい。
やさしい入門書の例: 「ファーストブック 生命科学がわかる」
工藤佳久・都筑幹夫、技術評論社、978-4-7741-3613-4、平成20年10月 1780円
- 生命科学の研究者が使うためのハウツーではない。生命科学者にとってバイオインフォマティクスはツールであって、使いこなすことが目的で、原理は興味の対象外である事が多い。「バイオインフォマティクス」を称する教科書も、そのような本があるが、それはこの授業の目指すところではない。具体的にはネット経由で遺伝子データベースをアクセスするやりかたの解説や、Perlなどの言語と生命科学用パッケージ(たとえばBioPerlなど)を使ってデータ処理プログラムを作る解説などである。
- 逆に、情報処理のための生物学、たとえば、生命現象を利用した計算処理(ニューロコンピューティング、遺伝的アルゴリズム、生命化学反応による情報処理など)は授業の対象とはしない。(注)これらはそれぞれに面白いテーマであるし、特に最後の生命化学反応を素子とするコンピュータはほとんど未知であって興味深いのだが、この授業では対象としない。
前提知識 †
- 生命科学についての予備知識は、最低限として高校の生物や啓蒙書レベルの程度を求める。授業の進展につれて、興味を持っていろいろな本を読んで欲しい。
- 情報科学・情報処理についての予備知識は、情報科学科3年生としてのレベルを求める。アルゴリズムとは一般にどのようなものかを理解していること、アルゴリズムをプログラム化できること、コンピュータおよびネットを操作できることなど。授業で扱う特定のアルゴリズムについては、特に前提知識は不要である。
授業スケジュール(as of 2010/03/10) †
回 | 日 | テーマ | 内容 | 教科書 |
1 | 04/06 | バイオインフォマティクス総論 | (分子)生物学の概観、情報処理 | 第1章 |
2 | 04/13 | 配列アラインメント(1)? | ペアワイズアラインメント・ローカルアラインメント | 2.1〜2.4 |
3 | 04/20 | 配列アラインメント(2)? | ホモロジー検索・マルチプルアラインメント | 2.5〜2.6 |
4 | 04/27 | 配列解析(1)? | モチーフ・HMM・カーネル法 | 3.1〜3.3 |
5 | 05/11 | 配列解析(2)? | ゲノム配列推定・ゲノム再構成 | 3.4〜3.5 |
6 | 05/18 | 進化系統樹推定(1)? | 系統樹・距離行列法 | 4.1〜4.3 |
7 | 05/25 | 進化系統樹推定(2)? | 最節約法・進化の確率モデル・評価と比較 | 4.4〜4.6 |
8 | 06/01 | 高次構造解析・比較 | RNA2次構造予測・構造比較 | 5.1〜5.2 |
9 | 06/08 | 高次構造推定 | タンパク質立体構造予測 | 5.3 |
10 | 06/15 | ネットワーク解析(1) | 遺伝子発現解析・遺伝子ネットワーク | 6.1〜6.2 |
11 | 06/22 | ネットワーク解析(2) | タンパク相互作用推定・ネットワーク構造解析 | 6.3〜6.4 |
12 | 06/29 | 文献情報とテキストマイニング(1) | | |
13 | 07/06 | 文献情報とテキストマイニング(2) | | |
14 | 07/13 | (未定) | | |
授業の進め方・評価・教科書などについて †
授業の進め方:
- 基本は講義形式とする。
- 随時、課題を出すので、期日までに提出すること。
教科書:
- 「バイオインフォマティクスの数理とアルゴリズム」 阿久津達也著 共立出版 4-320-12178-2 3,000円
アルゴリズムの説明は、この本をベースにして行い、随時必要に応じて他の本の説明を紹介する。
参考書: いずれも、図書館にある。その他、授業中に必要に応じて紹介する。
- 「バイオインフォマティクス基礎講義」A.M.Lesk、岡崎康司他訳、MEDSi 4-89592-343-6
- 「バイオインフォマティクス入門」J.C.Setubal他、五条堀孝他訳、共立出版 4-320-05580-2
- 「バイオインフォマティクスのためのアルゴリズム入門」 N. C. Jones他、渋谷哲朗・坂内英夫訳、共立出版、4-32005650-3 (アラインメントの説明が非常に丁寧)
評価
- 授業内課題(60点)、期末課題(40点)の合計点を評価とする。
- これらの課題のレポートは3年の学生として恥じない、形式・内容共に十分に質の高いことを要求する。
オフィス・アワー
- 当面は金2限と火3限 (春学期開始後、変更の可能性あり)
- その他、空き時間には随時。 空き時間は 週間予定 と その日の予定 を参照のこと
場所は4号館5階 4541室
メモ: 清水謙多郎先生の資料
メモ: JSTバイオインフォマティクス推進センターゲノム解析ツール リンク集
第7回進化系統樹(2)演習課題のための資料とデータ例 †